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日本人はなぜ遺骨を大事にするのか(3)

2019年6月4日

前回見たように、同じ火葬でも日本とインド(ヒンドゥー教)では遺骨の扱いがまったく異なります。

日本人が遺骨を大事にする背景には、とても長い歴史があります。

 

日本では2000年以上前の縄文時代後期の頃から、中空の土偶のなかに乳児の歯や頭蓋、長骨などの細片を納めたり、幼児の骨を深鉢に入れて竪穴住居の床下に埋めた例などがあちこちで見られます。

 

遺骨を土偶や鉢に納めるということは、いったん遺体を何らかの形で葬り、それが白骨化してから改めて葬るということで、「複葬」と呼ばれます。

 

こうした事例は成人などでも見られ、遺骨を保存することへの関心は縄文時代からすでにあったようです。

 

さらに、弥生時代の後期から古墳時代前期にかけて登場したのが、「殯(もがり)」という葬り方です。

 

これは天皇や豪族が亡くなった際、遺体を一定期間、棺などに安置し、白骨化してから改めて古墳などに埋葬するという葬り方です。

 

語源として、「喪上(もあ)がり」が変化したという説がありますが、くわしいことは分からないようです。

また、「荒城(あらき)」というのも同じ意味で使われます。

 

『隋書』には、倭国(日本)や高句麗では貴人は3年以上殯をするという記述があります。貴人の場合、大規模な墳墓(古墳)を築くためにそれなりの期間が必要だったことが理由として考えられます。

 

記録に残っている天皇の殯の期間は様々で、敏達天皇(538?-585?)は6年8カ月、天武天皇(?-686)は2年2ヵ月、女帝の元明天皇(661-721)はわずか7日など幅があります。

 

殯の儀式は、「大化の改新」(645年)の後に出された薄葬令(はくそうれい:葬儀の簡素化や墳墓の小型化についての勅令)や、仏教とともに日本に伝わった火葬の普及もあり、次第に衰退していきました。

 

なお、現代でも葬儀で一般的に行われる「通夜」は、殯の風習の名残といわれます。殯の期間が1日(一晩)に短縮されたものというわけです。

 

遺骨を大事にする日本人の心性には、とても長い歴史があるのです。

 

※参考:山折哲雄『死の民俗学』(岩波書店、1990)

 

 

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