相続の新しいルール、知っていますか?(3) 「配偶者居住権」で注意すべきポイント

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相続の新しいルール、知っていますか?(3) 「配偶者居住権」で注意すべきポイント

2019年8月16日

約40年ぶりに相続法(民法相続篇)の大改正が行われ、2019年1月より順次施行されています。

その主な改正ポイントと内容、注意点などを取り上げる今回の連載。3回目は「配偶者居住権」の利用にあたって注意すべきポイントについてです。

 

  • 「配偶者居住権」の利用は2020年4月1日以降の相続から

 

「配偶者居住権」とはその名の通り、配偶者(特に夫に先立たたれた妻)が住み慣れた自宅に居住し続ける権利を認めるものです。

具体的には、短期居住権と長期居住権の2種類があり、短期居住権(正式には「配偶者短期居住権」)は、相続開始から最低でも6ヵ月はほぼ自動的に自宅に住み続けることができる権利です。一方、長期居住権(正式には「配偶者居住権」)は基本的に、配偶者が亡くなるまでずっと自宅に住み続けたり、人に貸したりできる権利です。

 

「配偶者居住権」(長期居住権)の利用にあたってまず注意しなければならないのは、2020年4月1日以降に発生する相続から適用されるということです。

それ以前に発生した相続において、配偶者が自宅にずっと住み続けられる法的権利を確保しようとすれば従来どおり、「遺産分割協議」か「遺言」によって、自宅不動産の所有権を配偶者が取得するようにするべきでしょう。

 

2020年4月1日以降も実は、「配偶者居住権」(長期居住権)を配偶者が取得するには、「遺産分割協議」か「遺言」によることが必要です。

特に注意が必要なのは、遺言がなく相続人が遺産分割協議を行うケースです。遺産分割協議は相続人全員の同意が必要であり、相続人が争っているとなかなか話がまとまりません。

そうした場合、家庭裁判所に申し立てを行い、裁判所の審判によって「配偶者居住権」(長期居住権)を取得することもできますが、時間や手間がかかりますし、必ず取得できるかどうかも分かりません。

ということで、被相続人が配偶者に確実に「配偶者居住権」(長期居住権)を残したいと思うなら、遺言で指示しておくべきです。

 

  • 「配偶者居住権」の評価をどうするか?

 

遺産分割協議でのもうひとつの問題は、「配偶者居住権」(長期居住権)の評価をどうするかです。

「配偶者居住権」(長期居住権)の評価額によって、相続人間で遺産をどう分けるか、相続税の負担がどうなるかが変わってきます。

この点、ひとつの参考として法務省では「簡易な評価方法」を紹介しています(図表参照)。なお、式の中に出てくる「ライプニッツ係数」は、交通事故の損害賠償などで将来の逸失利益を現在の一時金に換算する際の係数のことです。

もし、評価額について合意できなければ、不動産鑑定を行うなど時間や費用が余計にかかります。この点、遺言で配偶者に遺すのであれば、「配偶者居住権」(長期居住権)の評価方法についても指示しておいたほうがいいでしょう。

 

図表6 「配偶者居住権」(長期居住権)の簡易な評価方法

【建物の評価】

 ①配偶者居住権付所有権の価額

=固定資産税評価額×{法定耐用年数-(経過年数+存続年数)×ライプニッツ係数}/(法定耐用年数-経過年数)

※配偶者居住権の存続期間が建物の残存耐用年数を超える場合には0円とする。また、存続期間を終身とする場合には、平均余命を使う。

 ②配偶者居住権の価額

=固定資産税評価額-配偶者居住権付所有権の価額

 

【土地の評価】

 ①居住権付敷地の価額

=敷地の固定資産税評価額〔÷0.7〕×ライプニッツ係数

 ②居住権に基づく敷地利用権

=敷地の固定資産税評価額〔÷0.7〕-長期居住権付敷地の価額

 

 

  • 更新がないので期間は設定しない

 

「配偶者居住権」(長期居住権)は基本的に、配偶者が亡くなるまで認められるものですが、遺産分割協議などで期間を設けることもできます。

しかし、不用意に期間を設定することは避けるべきです。なぜなら、「配偶者居住権」(長期居住権)には更新の規定がないからです。

例えば、配偶者が75歳の時に20年で設定してしまうと、95歳になったとき、自宅建物の所有権者から退去を求められる可能性もあります。

配偶者の生活の安定という意味では、「配偶者居住権」(長期居住権)の期間の設定は行わないようにすべきです。

 

 

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