相続の新しいルール、知っていますか?(4) 「特別受益の持ち戻し免除」の推定で配偶者への自宅贈与がしやすく

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相続の新しいルール、知っていますか?(4) 「特別受益の持ち戻し免除」の推定で配偶者への自宅贈与がしやすく

2019年8月22日

約40年ぶりに相続法(民法相続篇)の大改正が行われ、2019年1月より順次施行されています。

今回は「特別受益の持戻し免除の推定」について取り上げます。

 

  • 相続人の平等を考慮する「特別受益」と「寄与分」

 

「相続」とは、亡くなった人(被相続人)が生前に持っていた財産上の権利と義務を、配偶者や子などの親族がまとめて引き継ぐことです。

 

「相続財産」にはプラスのものとマイナスのものがあり、プラスのものとしては現金や株式、不動産、自動車や家財などがあります。マイナスは、借金や未払いの税金、マンションの管理費・修繕積立金の滞納分などです。

これらプラスとマイナスの相続財産が原則として相続の対象となり、相続人間で分割されます。

 

しかし、相続財産の分割にあたっては別途、差し引いたり付け加えたりするものがあります。それが「特別受益」と「寄与分」です。

 

「特別受益」とは、亡くなった人(被相続人)が生前、相続人に贈与したマイホームを購入するための資金、起業する際の独立資金、その他、通常の生活費とはいえないような多額の援助があてはまります。

 

一方、「寄与分」とは、亡くなった人(被相続人)の財産を維持したり増やしたりするために、特定の相続人が貢献した分をいいます。

 

遺産分割にあたって、これらを考慮しないままでは不公平になることから、法律で考慮することが定められているのです。

 

  • ほとんど知られていない「特別受益の持ち戻し免除」

 

遺産分割にあたって、相続人の公平のために考慮される「特別受益」と「寄与分」ですが、「特別受益」については例外があります。

 

それは、亡くなった人(被相続人)が生前に文書で、あるいは亡くなった後なら遺言で、「特別受益」から除外する意思を表示しておくことです。

 

これを「特別受益の持ち戻し免除」といって、亡くなった人(被相続人)が自分の資産をどう処分するかについての意思を尊重するために設けられています。

 

しかし、「特別受益の持ち戻し免除」については知らない人が圧倒的に多く、ほとんど意思表示が行われていません。

 

そのため、よく問題になるのが、亡くなった人(被相続人)が所有している自宅を配偶者に贈与するケースです。

結婚して20年以上の配偶者に対して自宅を贈与する場合、最大2000万円までは贈与税がかからないという税法上の特例(「贈与税の配偶者控除」)があり、相続対策を兼ねて生前に自宅を配偶者に贈与することがあります。

 

しかし、これは相続法(民法相続篇)においては、前述のように「特別受益」の対象となり、遺産分割においては相続財産に含まれてしまいます。

 

それでも遺産分割がスムーズに行けば問題ありません。しかし、相続人の間で意見が合わず、もめたりすると大変。遺産分割の前提となる遺産の範囲がそもそも違ってくるので、裁判でも泥沼化しがちです。

 

  • 一定の配偶者への自宅贈与は法律で例外扱いに

 

そこで今回の民法改正では、2019年7月1日以降の相続から、下記の条件を満たす場合は、亡くなった人(被相続人)による「特別受益の持戻し免除」の意思表示があったと法律推定し、遺産分割の対象外にすることになりました。

 

婚姻期間が20年以上の夫婦

・被相続人が他の一方に対し、その居住の用に供する建物またはその敷地について遺贈または贈与をしたとき

 

これにより、長年連れ添ってきた配偶者に自宅を贈与することがしやすくなり、相続が発生した際も、遺産分割で相続人どうしがもめる可能性を事前に防ぐことにつながるでしょう。

 

なお、「特別受益の持戻し免除」の推定は相続法(民法相続篇)における規定であり、税法上の「贈与税の配偶者控除」とは、対象となる資産や上限金額、贈与のタイミングなどが異なります。

両方の適用を受けるつもりであれば、法律と税務の専門家にそれぞれ相談すべきでしょう。

 

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