相続の新しいルール、知っていますか?(8) 最高裁の判例変更で「口座凍結」が原則になった?

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相続の新しいルール、知っていますか?(8) 最高裁の判例変更で「口座凍結」が原則になった?

2019年10月3日

約40年ぶりに相続法(民法相続編)の大改正が行われ、2019年1月より順次施行されています。

前回から3回にわたって、亡くなった人(被相続人)の口座からの預貯金の引出しについて取り上げています。

 

亡くなった人の預金は「可分債権」から「不可分債権」に180度変更

 

前回、亡くなった人の口座にある預金は「可分債権」であり、遺産分割の対象とならず、相続と同時に法定相続分に従って、各相続人に引き継がれるのが原則だったことを述べました。

これは、1950年代から繰り返し、最高裁の判例が採用してきた考え方で、最高裁判例は法律に準じた効力があります。

 

ところが2016年12月の最高裁判決で、相続における亡くなった人の預金の考え方が180度変更されました。

すなわち、亡くなった人の預金は遺産分割の対象となり、実質的に「可分債権」ではなく「不可分債権」であるとされたのです。

 

なぜこのような変更が行われたのでしょうか。

法律と違って裁判は、個別具体的な事案での妥当性を追求するものです。

 

このとき争われていたのは、複数の相続人のうち一人が、亡くなった人から生前に多額の贈与を受けていたケースでした。

相続人の相続分を計算するにあたっては民法上、生前にもらった贈与も考慮に入れることになっています。もし、計算上の相続分よりたくさん生前にもらっていれば、その相続人は何ももらえませんが、もらい過ぎを返す必要もありません。

 

このとき、亡くなった人の口座にある預金については遺産分割の対象とならず、相続と同時に法定相続分に従って各相続人に引き継がれるとすると、生前にたくさん贈与してもらっていた相続人がさらに亡くなった人の財産を受け取れることになり不公平です。

 

ということで2016年12月の最高裁判決では、亡くなった人の預金については「相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となるものと解するのが相当である」としたのです。

 

このように最高裁の判例変更はこのケースでは合理的なものでした。

しかし、実質的には亡くなった人の預金は「可分債権」ではなく「非可分債権」ということになり、非常に大きな影響が生じました。

 

金融機関が窓口でそれなりに柔軟な対応をし、必要に応じて一部、払い戻しを認めていたものができなくなったのです。

特に不利になったのが、お金のない相続人です。当面の生活費や相続税の支払いなどで亡くなった人の預金を当てにしていたものの、他の相続人と遺産分割で揉め、それが長引けば長引くほどお金に困ります。

遺産分割協議において、不利な条件でも同意せざるを得なくなったりするケースも出てきました。

 

こうした不都合を解消するために今回の民法改正では、亡くなった人が金融機関に預けていた預金について、遺産分割の前であっても一定範囲で引出しを認めることにしたのです。

 

※次回に続く。

 

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