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お墓と弔いの歴史(12)お墓の竿石に刻む文字についてNews

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お墓と弔いの歴史(12)お墓の竿石に刻む文字について

2021年6月21日

お墓と弔いの歴史を振り返るこの連載。今回は、代表的な和型墓石である「三段墓」や「四段墓」の竿石(さおいし)に刻む文字について、宗派ごとの違いや特徴をまとめてみます。

現在、最も一般的なお墓が石造の「三段墓」「四段墓」と呼ばれるタイプです。

これらは前回、述べたように江戸時代の中期に登場し、その後、広く社会に普及しました。

 

この「三段墓」「四段墓」の一番上にあるのが「竿石(さおいし)」という縦長の長方形の石です。

 

その表面に刻まれるのは、「〇〇家之墓」とか「〇〇家先祖代々」といった家墓の表記が多いものの、宗派によって梵字を組み合わせたり、念仏や題目を刻んだり、違いも見られます。

 

<天台宗>
最澄(伝教大師)により平安時代初期に日本に伝えられた密教の宗派で、比叡山延暦寺が総本山です。

竿石には「南無阿弥陀佛」と彫るほか、梵字と「〇〇家先祖代々」などを組み合わせます。

 

※梵字とはもともと、梵語(サンスクリット)を表記するための文字で、日本には仏教の経典とともに伝えられました。

しかし、非常に難解なために、文字自体が様々な仏を表していると考え、これを種子(しゅじ)といいます。

天台宗では、「〇〇家先祖代々」などの上(竿石の頂部)に、梵字の「」または「キリーク」を刻むことが多いとされます。

ア:大日如来を表す梵字

キリーク:阿弥陀如来あるいは千手観音菩薩を表す梵字

カ:地蔵菩薩を表す梵字

 

 

<真言宗>
空海(弘法大師)により平安時代初期に開かれた密教の宗派で、京都の教王護国寺(東寺)が総本山です。

竿石には「南無大師遍照金剛」と刻むほか、「〇〇家先祖代々」の上(竿石の頂部)に梵字の「ア」を入れます。

 

<浄土宗>
法然により平安時代末期に開かれた宗派で、京都の知恩院が総本山です。

竿石には「南無阿弥陀佛」と彫ったり、梵字と「○○家先祖代々」を組み合わせます。

梵字には阿弥陀如来を表す「キリーク」を使い、金箔を入れることもあります。

 

<浄土真宗>
親鸞により平安時代末期に開かれた宗派です。

浄土真宗では梵字は使わず、「南無阿弥陀仏」と刻みます。

「倶會一處(くえいっしょ)」と刻むこともあります。倶会一処とは阿弥陀経に出てくる言葉で、阿弥陀仏の極楽浄土に往生したものは、浄土の仏や菩薩たちと一処で出会うことができる、という意味です。

なお、浄土真宗では五輪塔、宝塔(宝篋印塔)も使わないとされます。

 

<禅宗>
栄西が伝えた臨済宗、道元が伝えた曹洞宗、また臨済宗から分かれた黄檗宗などの禅宗では、竿石に「南無釈迦牟尼佛」と刻みます。

または、竿石の頂部(上の部分)に円相と言って丸い輪「」を入れ、その下に「〇〇家先祖代々」などと彫ります。

円相とは、完全なさとりの境地を表したもので、心性の完全円満を表すとされます。

 

<日蓮宗>
日蓮宗では髭題目と呼ばれる独特の文字で「南無妙法蓮華経」と刻みます。

また、竿石の頂部(上の部分)に「妙法」と入れ、その下に「〇〇家先祖代々」などと刻みます。

 

こうした竿石の文字や表記の違いを知っておくと、そのお墓がどの宗派か理解する助けになるでしょう。

 

 

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