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鉱物としてのダイヤモンド(2) ― 物質的な特性は? ―

2023年3月6日

「宝石」のほとんどは「鉱物」の一種ですが、そのなかでもダイヤモンドは他とは違った物質的な特性があり、それがダイヤモンドの魅力になっています。

ダイヤモンドの物質的な特性とはどんなものなのか整理してみました。

 

ダイヤモンドは「鉱物」の一種であり、炭素元素のみからできています。炭素元素のみからできている鉱物には他にもグラファイト(黒鉛・石墨)がありますが、ダイヤモンドとは様々な点で異なります。

それは炭素の結晶構造の違いから生じます。簡単にいうと、炭素原子には自由に動ける電子が4個あり、グラファイトではそのうち3個の電子を隣り合う炭素原子どうしが共有して結びついています。そのためグラファイトは網目上の平面構造をしており、平面どうしは非常に弱い力でつながっているだけです。

これに対してダイヤモンドは、4個の電子がすべて炭素原子どうしの結合に使われており、立体的で堅牢な構造(結晶)に成長することができます。

 

図表 グラファイトとダイヤモンドの結晶構造

https://science-stock.com/graphite-diamond/

 

 

 

  • 耐久性

ダイヤモンドは結晶構造が堅固であり、酸やアルカリ溶液に触れても変化が起きず高い耐久性を持っています。

 

  • 硬度

ダイヤモンドは引っ掻きや摩耗に強く、鉱物の硬さの尺度である「モース硬度」では10段階のうちで最も堅いモース硬度10とされます。

そのためダイヤモンドを研磨できるのはダイヤモンドだけといわれます。

 

  • じん性

ひっかいたときの傷のつきにくさである「硬度」に対し、打撃に対する抵抗力を「じん性」といいます。

鉱物で最もじん性が高いのはダイヤモンドの一種であるカーボナード(多結晶ダイヤモンド、ブラックダイヤモンド)です。

透明無色の通常のダイヤモンドは、はじん性においてはルビー、サファイアの次で石英やアクアマリンと同じです。

 

  • 電気伝導性

ダイヤモンドを構成する炭素原子は、自由に動ける4個の電子がすべて結合に使われているので(自由電子がないので)、電気を伝えません。ただし、ホロン(ホウ素)を含むブルーダイヤモンドは半導体の性質を持ちます。

一方、グラファイトは自由に動ける電子4個のうち3個を結合に使い、残り1個の電子は結晶中を移動できるため電気伝導性があります。

 

  • 熱伝導性

ダイヤモンドは熱伝導性が高く、銀のおよそ5倍、ガラスの10002000倍ほどになります。素手でダイヤモンドを持って氷をなぞると氷がすぐ融けて線が描けます。

なぜダイヤモンドの熱伝導率が高いかというと、炭素原子どうしの結びつきが強いため熱によって生じる格子振動が伝わりやすいためです。

 

図表 主な物質の熱伝導率

https://www.mtioutput.com/entry/2019/02/11/180000

 

 

  • 屈折率/臨界角

光が進む速度は物質(例えば大気と宝石)によって異なり、境界で光が屈折します。この屈折する割合が「屈折率」です。

ダイヤモンドは結晶の対称性が高く、屈折率が2.417もあります。ダイヤモンドの内部には様々な方向から光が入りやすいのです。

 

図表 主な物質の屈折率

物質 屈折率 備考
空気 1.000292 0℃、1気圧
二酸化炭素 1.000450
1.309 0℃
1.3334 20℃
エタノール 1.3618
水晶 1.5443 18℃
光学ガラス 1.43 – 2.14
サファイア 1.762 – 1.770
ダイヤモンド 2.417

※ナトリウムのD線・波長589.3 nmの光に対する屈折率

 

「臨界角」とは、ある物質の内部において光がすべて反射される限界角度のことです。臨界角が小さいとそれだけ物質内部で反射される光が多くなります。ダイヤモンドはこの臨界角が約25度と小さく、光が反射される領域が広くなっています。

 

ダイヤモンドは「屈折率」が高く「臨界角」は小さいことから、ダイヤモンドに入った光が屈折を繰り返して反射することでまばゆい輝き(ブリリアンシー)を生み出すのです。

 

  • 分散度

「分散」とは、白色光が宝石の中で屈折反射しして様々な色の光に分解されることです。これは白色光を構成する様々な色の光の屈折率がその波長によって異なるためです。

ダイヤモンドの分散度は0.044で宝石の中ではかなり高いほうです。また無色透明であることもあってFIRE(ファイア)と呼ばれる鮮やかな虹色の輝きを放ちます。

 

このようにダイヤモンドの宝石としての特徴や魅力は基本的に、鉱物としての物質的な特性からもたらされているのです。

https://www.gia.edu/JP/gia-news-research/light-affect-diamond-appearance

 

 

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