集落ぐるみでの墓じまい
少子高齢化が進むにつれて増えている墓じまい。そこにはいろいろな形や取り組みがあります。今回、とりあげるのは集落ぐるみで墓じまいを行ったケースです。
舞台になったのは京都府北部、南丹市園部町口司(こうし)の下口司という集落です。現在なお13世帯が暮らしていますがその多くは70代以上で、後継者世代の多くは都会で生活しています。
下口司集落にはそれぞれの家のお墓が集まっている共同墓地があり、集落の人たちが毎年、墓地の清掃や集落からつながる道の草刈りなどをしています。しかし、ご多分にもれず人口の高齢化や減少にともなってそれが難しくなってきました。
そこで、住民の中でも若手の方が4年ほど前、集落全体での墓じまいを提案したといいます。集落の近くには佛名寺という曹洞宗のお寺があり、ちょうど宗教・宗派・国籍を問わない合祀墓の「佛縁塔」を建てることになっており、そこに一緒に移ろうというアイデアだったようです。
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この“集団墓じまい”には、集落からすでに引っ越していたもののお墓が残っていた6世帯も同意し、2021年春の彼岸前に一連の墓じまいを終えました。
共同墓地にあった墓石についても、佛名寺に設けられた「佛眠墓(ぶつみんばか)」に移され、共同墓地は更地にされました。
地方ではいまでも集落単位で共同墓地を設けているところが珍しくありません。こうした共同墓地は、戦後になってできた墓埋法(墓地、埋葬等に関する法律)が制定される前から存在しており、都道府県知事の許可を得ていなくても墓地としての運営が認められています。これを「みなし墓地」といいます。
ただし、墓じまい(改葬)にあたっては、共同墓地であっても墓埋法の手続きに従って行う必要があり、問題になりやすいのが.埋葬(埋蔵)証明書の取得です。埋葬(埋蔵)証明書の発行は墓地の管理者に発行してもらうのが原則ですが、共同墓地では管理者がはっきりしていないこともあります。その場合は、地元の自治体等に相談するのがよいでしょう。
いずれにしろ、共同墓地の場合、各世帯が単独で墓じまいするより、まとまって墓じまいするほうが手間や費用、精神的な負担の面でもスムーズにいくように感じます。
新しい墓じまいのスタイルといえるのではないでしょうか。
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